Letter 免疫:RICK/Rip2/CARDIAKは自然免疫系と適応免疫系の受容体シグナルを媒介する 2002年3月14日 Nature 416, 6877 doi: 10.1038/416194a 免疫系は自然免疫と適応免疫という、進化的に異なるが密接に関連している2つの応答によって構成されている。これら自然免疫系と適応免疫系は、それぞれToll様受容体(TLR)、抗原特異的受容体という特有の受容体群を持っている。本論文で我々は、カスパーゼ会合領域保有セリン・トレオニンキナーゼであるRip2(RICK、CARDIAK、CCK、Ripk2とも呼ばれる)が、自然免疫系及び適応免疫系の両方の受容体からのシグナルを伝達することを示す。リガンドの刺激により、Rip2はTLR2シグナル伝達複合体形成に加わる。さらにRip2欠損細胞では、TLRをリポ多糖、ペプチドグリカン及び2本鎖RNAで刺激するとサイトカイン産生が減少したが、細菌由来DNAによる刺激では減少が見られなかった。これはRip2がTLR9の下流ではなく、TLR2/3/4の下流にあることを示唆している。Rip2欠損細胞は、インターロイキン(IL)-1、IL-18受容体からのシグナルに対しても低感受性であり、また、自然免疫応答に関与するとされているNod蛋白質からのシグナル伝達にも欠陥があった。さらにRip2欠損T細胞では、T細胞受容体刺激におけるNF-κB活性化、IL-2産生量、増殖性が著しく低下しており、ヘルパーT細胞サブタイプ1(TH1)への分化も妨げられていた。このことはRip2がT細胞受容体シグナル伝達及びT細胞分化の最適化に必須であることを示している。したがってRip2は自然免疫系、適応免疫系の両方からのシグナルを統合し伝達する分子であるといえる。 Full Text PDF 目次へ戻る