Letter

神経:感覚入力なしで胚に組み立てられる中枢パターン発生器

Nature 416, 6877 doi: 10.1038/416174a

移動運動は、中枢回路が感覚情報を統合し、適切な筋を支配する運動神経にパターン化された発火を促すことで可能になる。単離された中枢神経網が仮想的な(実際の運動がなくても記録される)移動運動リズムを発生できることから、運動出力の基本パターンは中枢回路の固有な結合と電気的性質とによって決まっていると考えられる。感覚入力は実際の運動時の刻々の周囲状況に反応してその運動出力のパターンを調節するのに必要だとされる。どのようにして移動運動回路が特異的に組立てられているかを理解する上での中心的問題に、そうしたシステムが出来上がっていく際に感覚入力がどの程度必要かという問題がある。今回、感覚の構造と機能を除去することで、ショウジョウバエの胚と幼虫の蠕動運動パターンがどう変化するかを調べた。蠕動移動のための回路は感覚入力が全くなくても発生すると考えられる。しかし、この回路が実際の運動パターンに統合されるには感覚系の情報が必要である。感覚入力が全くないと、運動の極性が乱され、前へ進む蠕動波が減って後への蠕動波が大部分になる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度