Letter 気候:熱帯植物による大量の塩化メチル放出 2002年3月14日 Nature 416, 6877 doi: 10.1038/416163a 塩化メチルはオゾンを減少させる塩素化合物の最大の自然発生源であり、現在の大気に含まれる塩素の約15%を占める。この寄与率は、クロロフルオロカーボンのような人為起源のものが存在しなかった産業革命以前の時代にはもっと大きかったようである。この塩化メチルが熱帯の沿岸陸域から大量に放出されることがこれまでに報告されているが、塩化メチルの全体的な収支バランスにはかなりの不足がある。本稿では、熱帯で普通に見られるいくつかの植物(ある種のシダとフタバガキ)から塩化メチルが大量(1時間当たり乾燥葉1g当たり0.1〜3.7μg)に放出されていることを示す。これらの予備的な測定を基にすると、東南アジアのフタバガキからの塩化メチル放出量だけで0.91Tgyr-1に上ると推定される。この量は、塩化メチルの放出について欠けている大きな部分を説明できそうである。熱帯地方において現在も続いている森林伐採に伴って、塩素化合物の自然発生量は将来減少するかもしれない。逆に石炭紀に繁茂したシダ類は当時の大気を塩化メチルに富むものに作り上げていたかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る