Letter 免疫:隣接した領域から出る化学誘因物質に対する反応性のバランスが、B細胞の位置を決める 2002年3月7日 Nature 416, 6876 doi: 10.1038/416094a Bリンパ球は、二次リンパ器官のB細胞の多い区画(濾胞またはB領域という)の間を再循環して、抗原を監視している。B細胞は、抗原に結合するとB領域とT領域の境界部に移動して、ヘルパーT細胞と相互作用する。抗体反応の誘導にはB細胞‐T細胞の相互作用が重要だが、B細胞のT領域への移動を引き起こすしくみはわかっていなかった。本項では、抗原と結合したB細胞においてはT領域のケモカインCCL19とCCL21に対する受容体CCR7の発現が増加しており、この2つの化学誘因物質に対する反応性が亢進していることを明らかにする。リンパ系ケモカインCCL19とCCL21をもたないマウスや、B細胞にCCR7がないマウスでは、抗原と結合してもT領域への移動が起こらない。レトロウイルスを使った遺伝子導入を行ったところ、CCR7の発現を増加させるとB細胞をT領域へ十分に誘導できることが明らかになった。また逆に、B領域のケモカインCXCL13に対する受容体CXCR5を過剰に発現させると、抗原によって誘導されるB細胞のT領域への移動が妨げられる。これらの知見から抗原に反応してB細胞の再配置が起こるしくみが明らかになり、生体内での細胞の位置が、隣接する別の領域で作られる化学誘因物質に対する反応性のバランスによって決まることを立証した。 Full Text PDF 目次へ戻る