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海洋:有孔虫の分解速度から推測した氷期―間氷期の海洋のpHの安定性

Nature 416, 6876 doi: 10.1038/416070a

海洋の酸性度(pH)は、炭酸カルシウムの化学作用によって制御されている。その結果、このシステムは、数千年以上の時間スケールで、大気のCO2濃度を調節する上で大きな役割を演じている。したがって、全球的な炭酸循環における海洋の役割を理解するためには、海洋のpHと炭酸イオン濃度を再現する必要がある。前回の最大氷期(LGM)には、海洋全体のpHは今日よりかなりアルカリ性が強かったと考えられており、このことは炭酸カルシウムの貝殻に含まれているホウ素の同位体組成から推測された。これによって、当時は大気のCO2濃度が低かったことを部分的に説明できるだろう。本稿では、広範な全球CLIMAPデータセットに集積された、有孔虫群集でみられる炭酸カルシウムの分解度を用いて、氷期の海洋の炭酸イオン濃度、そしてpHを再現する。現在と比べて、氷期の大西洋では炭酸イオン濃度はほぼ20 μmol kg-1低かったが、インド洋と太平洋ではほとんど差がなく、太平洋の3000mより深い水域ではわずかに(5 μmol kg-1)高かった。このような海洋のpHの再配置は氷期から現在にかけて海洋循環が変化したためかもしれないが、全体的にみて、以前にホウ素の同位体から推測されたような、全海洋でpHの変化が生じたという証拠は見られない。

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