Letter 物理:熱源による光のコヒーレントな放射 2002年3月7日 Nature 416, 6876 doi: 10.1038/416061a 黒体や電球の白熱フィラメントのような熱光源は、しばしばコヒーレントでない放射源の典型的な事例としてあげられ、レーザーと著しい対照をなしている。レーザーが、高度に単色的で非常に指向的であるのに対して、熱源は、広範なスペクトルを示し、通常は準等方的である。しかしながら、微視的な規模では、異なるふるまいもありえることが、多くの系で見られている。最近になって、極性をもつ物質からなる熱源によって放射された場が、1万倍以上も強められ、10から100nm程度の距離では部分コヒーレントになることが明らかにされた。今回、我々は、このような極性物質(SiC)に周期的な微細構造を導入することによって、熱赤外線源をつくった。その光は、長い距離(複数の波長)にわたってコヒーレントであり、はっきり決まった方向に放射することが実証された。アンテナ・ローブに似た、狭い角度の放射ローブが観測され、熱光源の放射スペクトルは観測する角度に左右される(いわゆるWolf効果)。コヒーレントな放射の原因は、回折格子による、表面のフォノンのポラリトンの回折にある。 Full Text PDF 目次へ戻る