Letter 進化:ショウジョウバエのゲノムデータを使って分子進化の中立説を検証 2002年2月28日 Nature 415, 6875 doi: 10.1038/4151024a 正の選択は多くの遺伝子で見つかっているが、それがタンパク質の進化全体に寄与しているかどうかについては異論が多い。分子進化の大部分が中立(自然選択と無関係)だとすれば、アミノ酸(A)多型の同義(S)多型に対する比(A/S)は平均して分岐のA/S比と等しくなるはずである。キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)の多型のA/S比を、オナジショウジョウバエ(D.simulans)からの分岐のA/S比と比較した結果では、分岐のA/S比は2倍となる。この差は多くの場合、正の選択によるとされる。しかし、この観察結果は、集団の有効な大きさの増大により選択的な拘束が増大することでも説明できる可能性があり、もしそうなら、すべての遺伝子は同じように影響を受けるはずである。我々は今回、多型と分岐の間に見られるこのA/S比の差が、中立進化よりも速く進化している一部の遺伝子に限られたものであって、これが正の選択に起因するとみられることを示す。他の種でも、分岐のA/S比は多型のA/S比より高いという観察がなされた。これは、分子進化の中立説による許容値をはるかに超えた適応進化速度が存在することを示唆する。 Full Text PDF 目次へ戻る