Letter 進化:ティラノサウルスは速く走れなかった 2002年2月28日 Nature 415, 6875 doi: 10.1038/4151018a ティラノサウルスをはじめとする最大級の獣脚類(肉食)恐竜が最速で進んだときの足の運び方や速度については、いまだに見解が分かれている。ティラノサウルスは歩くことしかできず、その速度は速くてもせいぜい11 ms-1だったとする見方もあれば、走行時の速度は最低でも20 ms-1はあったとする見方もある。本稿では、速く走るのに必要な伸筋の最小重量を算定することで、走行能力を評価する方法を示す。このモデルで得られる予測の有効性は、現存するワニ類やニワトリにあてはめることで実証した。この評価法を小型恐竜に適用したところ、走る能力をもっていた可能性が示され、走行できたとする研究報告を補強する証拠が得られた。しかしモデルからすると、仮定条件を緩めたとしても、ティラノサウルスの成体が速く走るには非現実的なほど大量の伸筋が必要となる。したがって、ティラノサウルスや他の巨大恐竜(体重約6000 kg)が走ることができたか、あるいは速く走れたとは考えにくい。 Full Text PDF 目次へ戻る