Letter 生理:オーキシン流出調節因子PIN3の側方向再配分がシロイヌナズナの屈性に関わっている 2002年2月14日 Nature 415, 6873 doi: 10.1038/415806a 以前からあるモデルでは、光や重力に対する植物の成長の応答には、植物ホルモンであるオーキシンの非対称的な分布が関わっていると考えられている。生理学的研究から、オーキシンを側方向の再配分を行う特異的な輸送系が存在して、偏差成長を引き起こすことが示されている。しかしながら、この系を構成する分子、また光や重力を感知してオーキシンを再配分する細胞機構のどちらも見つかっていない。今回、偏差成長が起こる際にはオーキシンが非対称的に集積し、これが流出依存性であることを示す。シロイヌナズナの遺伝子PIN3はオーキシン流出の調節因子であり、この遺伝子に突然変異が起こると偏差成長に影響が及ぶ。PIN3遺伝子は重力を感知する組織で発現し、PIN3蛋白質は細胞の側方表面に主に集積する。PIN3蛋白質は、細胞膜とアクチンに依存して循環する小胞とに局在する。根のコルメラ細胞では、PIN3は細胞膜に対照的に配置されているが、重力の感知に伴い速やかに側方向への再配分が起こる。この結果は、PIN3が屈性を調節するオーキシン側方向輸送系の構成要素であることを示す。さらに、重力に応答してアクチンに依存したPIN3の配置変えが起こることが、オーキシンの流れの方向を変え、非対称的な成長を引き起こす仕組となっている。 Full Text PDF 目次へ戻る