Letter 材料:ステンレス鋼はなぜ腐食するのか 2002年2月14日 Nature 415, 6873 doi: 10.1038/415770a ステンレス鋼はその耐食性ゆえに数え切れないほど幅広く利用されている。その一般な耐食性は非常に高いが、孔食は起こりうる。孔食とは、酸化物で覆われた金属が特定の腐食性環境中で局所的に溶解することで、金属構造物の破壊の最も一般的で破滅的な原因の1つである。孔食過程はランダムで、散発的で、確率的だと記述されており、いつどこで起こるかを予測することは非常に難しい。孔食についてはさまざまなモデルが存在するが、硫化マンガン混在物が重要な役割を果たしているという点では異論がない。実際、孔食事象の大多数が、そのような第2相の粒子、あるいはその近くで起こるのが見いだされる。混在する硫化物の中、あるいは周囲での化学変化が孔食の開始機構だと仮定されているが、これまでそのような変化が測定されたことはなかった。今回、ナノメートルスケールの二次イオン質量分析法を用いて、MnS粒子の周囲の鋼マトリックスのCr:Fe比が有意に減少していることを示す。これらのクロム枯渇領域は孔食の「引き金」となる高速度の溶解を起こすことがある。これらの結果から、材料の処理条件によって腐食破壊の起こりやすさを制御できることがわかる。また、これらのデータはそのような条件を最適化する基礎となる。 Full Text PDF 目次へ戻る