Letter

物理:直接の3光子励起による誘導放出の観測

Nature 415, 6873 doi: 10.1038/415767a

1931年に理論的に予測された多光子過程は、長い間、おもに学問上の関心事にすぎないと考えられていた。しかし、2光子過程が励起が強度の2乗に依存するために、3次元データの記憶と結像に役立つ空間的に閉じ込められた励起をつくりだせることが明らかにされてから、この見方が変わった。最近になって2光子吸収は、高効率の2光子感光物質の開発によって、大いに注目を集めるようになり、多くの技術的応用につながっている。こうした成功によって、3光子励起にもとづいた応用への研究に関心がもたれ始めた。3光子過程には、よく光通信で見られるような、より長い励起波長が利用できる。また、3光子過程は入射光強度の3乗に依存するので、より強い空間的閉じ込めがもたらされ、そのために、さらに高い結像コントラストが得られる。ここでは、増幅された自然放出として、方向性が非常にそろった上方変換された誘導放出を観察したことを報告するが、これは、有機発色団の溶液の中で、1.3μmにおける強い同時3光子吸収で生み出されたものである。この成果は、周波数上方変換によるレーザー発振、短パルス光通信、新しい生物光通信といった分野での3光子過程の応用の好機が到来したことを示している。

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