Letter 細胞:シナプトブレビンが小胞で受けている制約から、膜融合にカルシウムが果たす役割が示唆される 2002年2月7日 Nature 415, 6872 doi: 10.1038/415646a 神経伝達物質の放出は、シナプス小胞が形質膜に融合すると起こる。このニューロンのエキソサイトーシスはカルシウムが引き金となり、3種類のSNARE(可溶性N‐エチルマレイミド感受性因子結合タンパク質受容体)タンパク質を必要とする。3種類とは、シナプス小胞側のシナプトブレビン(VAMPとも呼ばれる)と、形質膜側のシンタキシン、SNAP-25である。ニューロンのSNAREタンパク質は平行な4本ヘリックスバンドルを形成し、これが相対する膜の融合を引き起こすと考えられている。溶液中でのSNARE複合体の形成にはカルシウムは不要なので、SNAREを介した膜融合の開始にカルシウムがどのように働くのかはわかっていない。ここでは、SNARE複合体の形成に際して、標的膜のシンタキシンとSNAP-25はまったく自由に参加できるのに対し、シナプス小胞のシナプトブレビンで参加できるものの数は非常に少ないことを明らかにする。カルシウムは、マイクロモル程度の濃度でSNARE複合体の形成の引き金を引き、シナプス小胞と再構成した標的膜との融合を引き起こす。カルシウムは、相対する膜どうしの間でSNAREタンパク質の結合を促すが、その作用は、シナプトブレビンをシナプス小胞での制約から解放するためではない。われわれのデータからは、カルシウムが引き金となって膜が近接することによってシンタキシンとSNAP-25がシナプトブレビンと結合できるようになり、膜融合につながるという機構が考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る