Letter 視覚:光景に関する統計量が色恒常性に及ぼす影響 2002年2月7日 Nature 415, 6872 doi: 10.1038/415637a 対象から反射して届く光は、対象の表面の性質ばかりでなく照明光にも依存する。同じことは、色の知覚の基礎となる光受容器細胞の興奮についてもいえる。しかしヒトの視覚には、照明光の性質が変わっても対象の表面色を同じに知覚するような能力がある。ある光景についての網膜像の平均色度は照明光次第で変わるから、逆に視覚系が網膜像の平均色度を利用して、照明光の性質を判断し、色恒常性を保つ補正をしている可能性がある。しかしそれだけでは十分ではない。白色光の下での赤い光景は、赤色光の下での無彩色の光景と同じ平均刺激値となりうる。しかし、光景に関するより高次の統計量、たとえば網膜像中の赤色度と輝度との相関によれば、これらの2つの光景を区別できるようになる。本報告では、ヒトの視覚系が照明光の性質を推測するのに実際に網膜像中の赤色度と輝度との相関を利用しており、この相関値に対して、自然環境の色知覚にとって統計的に適切な補正加重をしていることを示す。 Full Text PDF 目次へ戻る