Letter 環境:大気輸送モデルを利用してCO2放出量と吸収量の信頼できる地域別推定値をめざす 2002年2月7日 Nature 415, 6872 doi: 10.1038/415626a 地域別の炭素放出量と吸収量については、大気中CO2濃度の観測値の変動から、大気トレーサー輸送モデルを使った逆問題を解いて、知ることができる。この手法を用いて得られる地域別な炭素フラックスの大きさと分布についてはまだ意見の一致を見ていないが、その理由の1つはいくつかの異なる大気輸送モデルを用いていることである。本稿では、複数の大気中CO2の逆問題解法を相互に比較することによって得られた、海洋および陸上生態系と大気の間のCO2フラックスの推定値を報告する(TransCom-3プロジェクト)。この相互比較は、変種を含め計16個の輸送モデルを使って行った。我々は中高緯度の南半球の海洋におけるCO2の取り込み量が海洋における測定値から推定された量よりも少ないことを見いだしたが、この結果は輸送モデルやアプローチの違いによって変わることはない。また我々は、陸地の炭素吸収量は北半球の諸大陸の間で比較的均等に分布していることを見いだしたが、この結果は、モデル間の輸送特性の差、特にモデルの陸地におけるCO2の交換の季節変化に対する応答の差によって変化する。全体的にみて、中高緯度においては全緯度帯を通して統合した炭素フラックスは、観測値によって強く拘束されている。したがって、地域別な炭素フラックスについての我々の理解を確実なものにするには、輸送モデルの改良と熱帯におけるCO2の観測ネットワークの充実が必要である。 Full Text PDF 目次へ戻る