Article 進化:仮想獲物の隠蔽色と多型性は視覚捕食者によって選択される 2002年2月7日 Nature 415, 6872 doi: 10.1038/415609a 隠蔽色を身にまとう動物には通常、模様の異なる何種類かの変異体が存在する。このような表現型の多様性は、頻度依存性の捕食によって多数派の変異体が捕食される率が偏って高くなることで促進された可能性がある。だが、この説はまだはっきりと検証されていなかった。本稿では、被食者の隠蔽色や表現型の多様性に、視覚で獲物を見つける捕食者がどう影響を及ぼすかについて初めて対照実験で調べた結果を報告する。この実験では、スズメ目鳥類のアオカケス(Cyanocitta cristata)に、コンピューター画面上に表示したデジタルの「ガ」を探索させた。ガの表現型は、カケスに見つかった個体が繁殖する確率が下がるような遺伝的アルゴリズムで進化させた。アオカケスは典型的でない隠蔽色のガを見つけられない場合が多かったことから、頻度依存性選択の存在が実証された。また、アオカケスは探索像を使って多数派の表現型をもつ獲物の検出能を高めていることが示唆された。世代を重ねるにつれて、ガは有意に見つかりにくく進化した。そして、選択を受けない対照群あるいは頻度非依存性の選択を受けた対照群に比べて、表現型の多様性が有意に増加した。 Full Text PDF 目次へ戻る