Letter

生化学:バクテリオファージT4の細胞貫通装置

Nature 415, 6871 doi: 10.1038/415553a

バクテリオファージT4の細胞感染機構はとても効率的である。この機構の要となるのが基盤という構造で、これは尾部の末端にあって、尾繊維とDNA注入装置の相互作用を制御している。基盤の主体は、遺伝子産物(gp)5(63 K)とgp27(44K)からなる複合体で、大腸菌の細胞外膜を貫通したり内膜のペプチドグリカン層を破壊するのに必要とされ、続くファージDNAの宿主への注入を促す。今回我々は、分解能2.9Åで(gp5-gp27)3321K複合体の結晶構造を決定し、これを、基盤―尾管構造の集合をとらえた分解能17Åの低温電子顕微鏡像に当てはめた。gp5のカルボキシ末端は三本鎖β‐ヘリックスであり、正三角形の角柱を形成して、膜貫通の針の役目をする。gp5の中央部にあるリゾチーム領域は、この三角柱の周縁部に位置して、ペプチドグリカン層の分解を請け負っている。gp5のアミノ末端にある逆平行βバレル領域は、3つのgp27単量体でできた円筒構造に挿入されるが、この円筒構造はDNA注入用チャネルの役目をしているのかもしれない。

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