Letter 進化:初期被子植物の系統で二倍体内乳が見つかった 2002年1月31日 Nature 415, 6871 doi: 10.1038/415522a 顕花植物では、胚に栄養を供給する組織をつくり上げる発生過程および遺伝レベルでの基盤は、他のあらゆる種子植物と異なっている。花を形成しない現生種子植物(球果植物、ソテツ類、イチョウ類、グネツム類)では、母方に由来する一倍体組織(雌性配偶体)が母方の二倍体植物から栄養を取得し、胚への栄養供給の主体となっている。顕花植物では、精子と卵が融合して接合子が形成されると同時に、第2の受精現象により、内乳とよばれる胚への栄養供給組織ができ始めるが、これは遺伝的には両親に由来し、通常は三倍体である。1世紀以上も前から、現生顕花植物の祖先の内乳は両親由来の三倍体内乳だと考えられてきた。本稿では、原始的な被子植物であるスイレン科コウホネの一種Nuphar polysepalumに、両親由来の二倍体内乳があることを報告する。また、二倍体内乳が初期の被子植物系統に一般的なもので、これが顕花植物の祖先の状況に相当する可能性があることも示す。二倍体内乳が原始的なものだとすれば、大多数の顕花植物に見られる三倍体内乳は、内乳形成を開始させる特異な受精過程に加えられた発生上の修飾を通じて、二倍体内乳から進化したものにちがいない。 Full Text PDF 目次へ戻る