Letter 気候:気候変動における極端な季節的降雨の発生リスクを定量化する 2002年1月31日 Nature 415, 6871 doi: 10.1038/415512a 大気中の二酸化炭素濃度の増加により全球の平均気候が変動することは、ほぼ間違いない。しかし(自明のことだが)極端な事象はまれにしか起こらないので、その発生リスクを定量化することはかなり難しくなる。この種の問題に取り組むためには、「最良推定」シナリオを用いる決定論的な予測よりも、気象や気候の短・中期的予測に用いられるような、統計集団に基づく確率論的な予測の方が役に立つ。本稿では一般的な二分決定モデルを用いて19の全球気候モデルのシミュレーションを確率論的に解析した結果を示す。私たちの推定によれば、英国の一部地域において北半球冬季の総降水量が平年値の標準偏差の2倍を超える確率は、これから100年間で5倍に増加する。北半球夏季のアジアモンスーン地域でも同様な確率の増加が見られ、バングラデシュで洪水が起こることを示唆している。(モデルの誤差に関する標本をより完全に抽出するために)より大きな統計集団を用い、中規模河川流域を解析するために適した解像度をもつ広範なシナリオを用いることは、我々の技術の実用化を進める上で役立つだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る