Letter 物性:Cr(001)表面における軌道近藤共鳴の実空間画像化 2002年1月31日 Nature 415, 6871 doi: 10.1038/415507a 近藤効果は通常、局在化したスピンモーメントと遍歴電子の間の相互作用に関係づけられる。この相互作用は、アブリコソフ―スール共鳴または近藤共鳴と呼ばれるフェルミレベルでの狭い共鳴の形成につながる。走査トンネル顕微鏡は、複雑な電子構造とか、近藤共鳴の形成や高Tc超伝導体のd波対形成のような多体現象を実空間で調べるのに理想的な技術である。理論では、同様の近藤類似多電子共鳴が、スピン自由度でなく軌道自由度をもつ散乱中心で起こりうると予想されている。ウラン系化合物における4重極モーメント(quadruple momenta)あるいは金属ガラスにおける2レベル系はそのような「擬似近藤」散乱中心の例である。今回、遷移金属表面における軌道近藤共鳴の証拠を提示する。走査トンネル顕微鏡を用いて低温で原子的に清浄なCr(001)表面を調べたところ、フェルミレベルより26meV上に非常に狭い共鳴があることがわかり、対応する状態の軌道の特徴を可視化することができた。この実験データと多体計算から観測された共鳴はdxzとdyzという縮退した2つの表面状態によって形成されることが示された。 Full Text PDF 目次へ戻る