Letter 物理:ジョセフソン接合アレイを使った位相的に保護された量子ビット 2002年1月31日 Nature 415, 6871 doi: 10.1038/415503a 量子ビット(キュービット、仮説上の量子コンピューターの論理素子)を物理的に実現する場合は、常に、競合する要件を満たさなくてはならない。すなわちキュービットは、外部信号による操作ができると同時に環境からは孤立した状態にあることが必要なのだ。量子光学にもとづいた提案は最適な孤立化を強調するのに対して、固体物理からの提案はナノスケール製造技術の可変性とスケール性を追求している。最近になって、超伝導構造を使ったさまざまな設計が、コヒーレントな量子演算に関して上々の検証結果を得るにいたったが、数千の初等演算をコヒーレントに達成するという最終目標は、依然として手に負えない状態のままだ。位相安定性を利用してデコヒーレンスからキュービットを保護する方法は、長いデコヒーレンス時間を達成できそうな質的に新しい提案だが、それが物理的に実現可能かどうかははっきりしなかった。今回我々は、孤立した二重に縮退した量子二量体の液体の基底状態をつくり出す、強い相関関係をもつ系を利用して、位相的に安定したキュービットを構築する方法を示す。さらに我々は、ジョセフソン接合配列を利用したキュービットの実現について検討した。その構造の複雑さは、現在利用できる技術基盤にとっては相当な難問だが、このような位相キュービットは、フォールトトレランスを組み込み済みなので、得るものは大きい。 Full Text PDF 目次へ戻る