Letter

生態:英国でのヒツジのBSE感染という可能性からヒトの健康リスクを予測する

Nature 415, 6870 doi: 10.1038/nature709

欠陥研究疑惑が最近明らかになり、感染スクリーニングが実施されたヒツジが少ないため、過去にヒツジが補助飼料を介してウシ海綿状脳症(BSE)に感染したことがあるのか、そして現在でもBSEに感染したヒツジがいるのかは明らかでない。このため量的に限られ内容的にも統一性を欠くデータを統合し、不明確な点を探究し、優先的にデータ収集すべき事項を決めるためには、十分な根拠がある数理モデルや統計モデルが極めて重要である。我々は、ヒツジにおけるBSE伝播に関する複数のシナリオにつき、ヒトの相対的曝露水準と変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)の発症率に与える影響を調べた。本稿では、もしヒツジ個体群がBSEに感染し、ある程度の伝播が起こった場合には、ヒツジのBSEによる公衆衛生上のリスクがウシの場合よりも大きくなる可能性が高いが、食品市場に供給される羊肉製品に対する制限を強化することで、このようなリスクを最大90%削減できる可能性があることを示す。さらに、この分析を拡大し、絶対的リスクを検討したところ、ウシのBSEへの曝露だけを考えた場合には、将来のvCJDによる死亡者数が50〜50,000人(95%信頼区間)と推定でき、ヒツジのBSEに関する最悪のシナリオによる曝露を含めると、その上限値は15万人に増えた。

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