Letter

生態:種多様性は種間の促進作用を介して生態系の機能を増強する

Nature 415, 6870 doi: 10.1038/415426a

生物種間の促進作用(facilitation)は、生物多様性が生態系の効率や生産性を左右する資源利用率に影響を及ぼす主要な仕組みの1つだと考えられている。しかし、この説を実験で直接裏づける証拠は得られていない。本稿では、水生生物の機能的一群の種多様性を増すと、促進的な相互作用を導いて、資源の消費に非相加的な変化を起こすことを示す。河川の中型生態系で懸濁食のトビケラ(毛翅目の昆虫)幼虫の種の豊富さと均一性を増したところ、底生生息域の地形の複雑さが増して、底面に近い流れパターンが変化し、個体の摂食成功率が高まった。種多様性は、「流速減少(current shading)」(上流から近隣の下流に流れ込む際に水流が減速すること)を減らし、そのため、多様性をもつ群集は、懸濁資源の捕捉率を、いずれかの単一種の生育による捕捉率よりも高くできる。この種の流体力学的な促進作用は、その本質からして、淡水域や海洋の生息域に広く当てはめることができると思われる。またさらに、陸上生態系にも、エネルギー流や物質流が生物物理的な複雑さによって影響を受けうるような、類似の促進作用例がいくつかある。種の多様性における変化は種間の正の相互作用の確率を変える可能性がある。その結果、生態系の機能におけるとてつもない大きな変化をもたらす。

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