Letter 材料:ドープ不足のBi2Sr2CaCu2O8+δにおける高Tc超伝導の粒状構造の画像化 2002年1月24日 Nature 415, 6870 doi: 10.1038/415412a 粒状超伝導は微視的な超伝導粒が非超伝導領域で隔てられている場合に起こり、粒間のジョセフソントンネリングにより、巨視的な超伝導状態が成立する。銅酸化物高温超伝導体の結晶は構造的な意味では粒状ではないが、理論から、低レベルのホールドーピングを行うとホールが一定の場所に濃縮され、ホールに富んだ超伝導領域が生じうると考えられている。そのような領域間のトンネリングにより粒状超伝導が起これば、ドープ不足の銅酸化物超伝導体に対する新しい見方が生まれるだろう。今回、走査型トンネル顕微鏡による、ドープ不足のBi2Sr2CaCu2O8+δの研究を報告する。これにより、電子構造が明らかに分離し、大きさが約3nm(かつ、局所エネルギーギャップ<50meV)の超伝導領域が、電子構造的に異なる背景中に形成されることがわかった。我々は、Ni不純物原子の散乱共鳴を局所的超伝導の「マーカー」に用いた。局所エネルギーギャップΔ>50±2.5meVの領域のいずれでも、Niの共鳴は検出されなかった。これらの観察から、ドープ不足のBi2Sr2CaCu2O8+δは、2つの異なる短距離電子秩序の混合したもので粒状超伝導体の長距離特性を示すと考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る