Letter 物理:原子媒質中の遅い光を利用する事象の地平線の類似実験 2002年1月24日 Nature 415, 6870 doi: 10.1038/415406a 特異点は、多くの光学的現象の基礎になっている。たとえば、虹は、光線の強度が無限大になってしまう特殊な特異点「光線カタストロフィー」を伴っている。実際には、光の波動的な性質が、このような無限大を解消して、干渉縞を生じさせる。ブラックホールの事象の地平線では、時間は静止し、波動は無限に小さな波長で振動する。しかしながら、光の量子的な性質が、カタストロフィーを回避させ、ホーキング放射を生む。今回、私は、事象の地平線の理論的な類似実験の結果を報告する。原子媒質中で静止状態になった光の群速度の放物線分布が、ブラックホールのものと似た波動の特異点を生む。量子真空は、特徴的なスペクトルをもった光子対を創らされることになる。これは、ホーキング放射に関連した現象である。この考えは、古典的なカタストロフィー理論の領域を広げる「量子的」カタストロフィー論のはしりになるかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る