Letter 宇宙:太陽スペクトル線の不可解な偏光の原因である選択吸収過程 2002年1月24日 Nature 415, 6870 doi: 10.1038/415403a 磁場は、太陽から活動銀河核までのほとんどの天体物理系において、極めて重要な役割を演じている。磁場の研究は、磁場が原子のエネルギー準位に及ぼす影響を足がかりとして行うことができ、この影響によってスペクトル線の偏光が起こる。特に、電子をより高い準位へと送り込む異方性放射「ポンピング」過程は、密度分布の不均衡を引き起こすが、この状態は弱い磁場によって修飾されると考えられてきた。今回、我々は、太陽円盤の中心に位置するコロナのフィラメントで観測された、HeIの10,830-Aマルチプレット(多重線)に見られる奇妙な偏光した光について報告する。我々は、その偏光した光が、He三重線系の基底準位からの選択吸収から生じることを示し、それが、太陽の動径ベクトルに対して大きく傾斜した数ガウス程度の磁場の存在を意味することも示す。このことは、数ガウス程度の傾斜磁場があれば長寿命の原子準位での密度分布不均衡はわずかな程度にとどまるとする通説を覆し、太陽磁場の探索と調査のための新しい実態分析の可能性を開くものである。 Full Text PDF 目次へ戻る