Article 細胞:炭素菌アデニル酸シクラーゼ外毒素のカルモジュリンによる活性化の構造基盤 2002年1月24日 Nature 415, 6870 doi: 10.1038/415396a 炭疽の発病には、浮腫因子、つまりカルモジュリン依存性アデニリルシクラーゼが重要な役割を果たす。ここでは、カルモジュリンと結合した状態および結合しない状態での浮腫因子のX線構造を報告する。浮腫因子は、哺乳類のアデニル酸シクラーゼ、あるいは他の哺乳類タンパク質と、構造的に見分けられる程度の相同性を持っていない。活性部位では、3'-デオキシATPと1個の金属イオンが、触媒塩基であるヒスチジン351を用いる触媒作用に好都合な位置を占めている。この触媒機構は、哺乳類アデニル酸シクラーゼで考えられている金属イオン2個が関わる機構とは異なっている。浮腫因子では4つの離れた領域が、伸びた構造をとったカルモジュリンを認識する表面を形成している。カルモジュリンのこの伸びた構造は、他のエフェクターペプチドに結合したカルモジュリンで見られるつぶれた構造とは大きく異なっている。カルモジュリンが結合すると、浮腫因子の相対分子質量15,000のヘリックスドメインが触媒中心から15A離れて30°回転し、それによって規則的な構造をもたなかったあるループが安定化されて、これが酵素の活性化に結びつく。このようなアロステリック変化から、カルモジュリンが標的分子の1つである浮腫因子を調節する詳しい仕組が初めて分子レベルで明らかになった。 Full Text PDF 目次へ戻る