Letter

進化:魚竜類の尾びれの推進力と遊泳速度に見られるスケーリング効果

Nature 415, 6869 doi: 10.1038/415309a

系統の異なる4群の大洋回遊性大型脊椎動物(マグロ類、クジラ類、ネズミザメ類、小骨盤類の魚竜類)は、マグロ型(thunniform)の体形を進化させた。おそらく、周囲の水流から受ける厳しい物理的な制約が、進化における収斂を示すこのような例を生み出したのだろう。本稿では、こうした制約を特定して定量化するための、遊泳動力学および流体力学を取り込んだ数理モデルを提示し、実験データでこのモデルを検証する。検証により、大型回遊脊椎動物では形態、運動、生理が実際に密接に相関して変化することが、定量的に明らかになる。このモデルによって、外寸測定から最適な遊泳速度を算出することが可能になり、また、マグロ型遊泳動物に典型的な幅広の尾びれが、大型回遊動物に必要なものであるという予測もできる。この知見は、マグロ型の尾びれが選択されたのは尾びれの縦横比が大きくなって推進効率が上がったためだとする、どちらかといえば目的論的な通説とは相入れないものである。本稿では計算をもとに、ジュラ紀魚竜類であるステノプテリギウス(Stenopterygius)の最適回遊速度および基礎代謝率が、現生マグロ類のものに近かった可能性が大きいことも示す。

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