Letter

物理:地球の重力場での中性子の量子状態

Nature 415, 6869 doi: 10.1038/415297a

物質の離散的な量子特性は、さまざまな現象の中に見られる。十分に深くて広いポテンシャル井戸に捕らえられた粒子は、量子束縛状態に落ち着く。例えば電磁場における電子の量子状態の存在が、原子の構造の原因であり、強い核の場における核子の量子状態が、原子核の構造のもとである。同様に、重力場も量子状態を生じさせるはずだ。しかし、重力は、電磁力や核力に比べると非常に弱いので、重力場における物質の量子状態の観測は、極めて難しい。中性子は、電気的に中性で寿命も長いので、このような効果を測定する上で有望な候補である。このたび、我々は、中性子の重力的な量子束縛状態の実験的な証拠を報告する。中性子は水平におかれた鏡に向かって落下させられ、それが、地球の重力場と相まって、必要とされる閉じ込めポテンシャル井戸の役割を果たす。このような状況下では、落下する中性子は、垂直方向に連続的には移動せず、量子論で予測されるように、ある高さから別の高さへと跳躍するのだ。

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