Letter

宇宙:老星を覆うダストシェルから検出された炭酸塩

Nature 415, 6869 doi: 10.1038/415295a

地球や火星など太陽系の大型天体上には炭酸塩が存在する(火星については隕石ALH84001によってわかる)が、この炭酸塩は((CO3)2-)の薄い水溶液に含まれるケイ酸塩の風化から生じる。惑星間の塵粒子や小惑星の中にも炭酸塩が存在する(小惑星については隕石によってわかる)。その原因は完全に解明されていないが、大型母天体上での液体の水による変質があった後、この母天体が粉々になったことが原因だとされてきた。従来の研究では、炭酸塩が太陽系の外側に存在することは立証されていない。本稿で、私たちは、ともに炭酸塩である方解石と苦灰石を老星のダストシェル(塵殻)で発見したことを報告する。このダストシェルの状態は原始的すぎて、液体の水がある大型母天体は形成されない。したがって、これらの炭酸塩は、水の変質で生じたのではない。おそらく、塵や氷の粒の表面におけるなんらかの過程、あるいは、気相凝縮から生じたのであろう。液体の水による変質から生じていない炭酸塩が存在するという今回の発見は、太陽系の天体から発見された炭酸塩の一部が、原始太陽系の大型母天体上に液体の水があったことを示す直接的な証拠とならないことを示唆している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度