Article 細胞:分解能3.0ÅでのClC型塩素イオンチャネルのX線構造解析から明らかにされた分子レベルでの陰イオン選択性の基盤 2002年1月17日 Nature 415, 6869 doi: 10.1038/415287a ClC型塩素イオンチャネルは、Cl-イオンを選択的に細胞膜を透過させ、それにより、骨格筋の電気的興奮や上皮境界での塩や水の透過を制御している。ClC型Cl-イオンチャネルの遺伝的欠損は、いくつかの家族性の筋疾患や腎疾患の原因である。本稿では、ネズミチフス菌および大腸菌から得た2種の原核生物ClC型Cl-チャネルについて、それぞれ3.0Åと3.5Åの分解能でのX線解析により得た構造について報告する。両者の構造から、ClC型Cl-チャネルには同一の小孔が2個あることが明らかになり、各小孔は同型二量体である膜タンパク質に含まれる1個のサブユニットによりそれぞれ形成されていることがわかった。個々のサブユニットは、ほとんど繰り返し構造といってよい2つの部分からなり、この2つは細胞膜をはさんで向き合うように配置されている。この逆平行構造があるために、αヘリックス双極子との静電的相互作用や、窒素原子およびヒドロキシル基との化学的配位によって、Cl-イオンを安定化する選択的フィルターの特徴が作られている。このような知見は、ClC型Cl-チャネルの構造に関する基礎知識として、その機能の理解をさらに深めるものとなり、また、このようなチャネルの陰イオン選択性の物理的・化学的な基本性質がどういうものかが解明された。 Full Text PDF 目次へ戻る