Letter 細胞:fibulin-5/DANCEタンパク質は弾性繊維形成に必須である 2002年1月10日 Nature 415, 6868 doi: 10.1038/415171a 弾性繊維は、大血管や肺、皮膚といった伸縮性を必要とする器官の構造と機能に重要な役割を果たしている。弾性繊維はミクロフィブリル(フィブリリンや潜在的TGF-β結合タンパク質などからなる)と重合したエラスチンによって構成されていることが知られているが、その集合や発達の機構はよく分かっていない。この論文では、最近発見されたインテグリンリガンドであるfibulin-5(DANCEとしても知られる)が弾性繊維形成に必須の因子であることを報告する。遺伝子ターゲティング法で作成されたfibulin-5遺伝子欠損マウスでは体中の弾性繊維がばらばらになっている。fibulin-5遺伝子欠損マウスは成体になるまで生存したものの、コンプライアンス低下を伴う曲がりくねった大動脈、重篤な肺気腫、皮膚弛緩を示した。これらの組織の弾性繊維は細切れになっていたが、エラスターゼ活性の上昇を伴っておらず、弾性繊維の形成に異常があることが示唆される。fibulin-5タンパク質は培養細胞がつくる弾性繊維と直接結合するだけではなく、そのアミノ末端領域を介して細胞表面にあるανβ3,ανβ5およびα9β1インテグリンに結合するリガンド分子としても働く。従って、fibulin-5タンパク質は弾性繊維を細胞に引き寄せ、皮膚や肺、血管の弾性繊維の形成と安定化に寄与していると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る