Letter

医学:未成熟HIV-1キャプシドの集合に必要な宿主タンパク質の同定

Nature 415, 6867 doi: 10.1038/415088a

成熟前のHIV-1キャプシドが形成されるには、宿主細胞の細胞膜に沿って1500個のHIV-1 Gag(p55)ポリペプチドが正しく集合しなくてはならない。昆虫細胞や高等真核細胞の多くはこのキャプシドの集合を効率的に助けてしまうが、酵母とネズミの細胞はキャプシド集合を助けないことから、未成熟HIV-1キャプシドの形成には宿主の細胞装置が必要なことがわかる。さらに、HIV-1キャプシド形成を再現する無細胞系では翻訳後のペプチド集合過程にATPとある細胞内区画が必要であり、これから細胞のATP結合タンパク質の必要性が示唆される。ここでは、以前にRNアーゼLの阻害因子として報告されたタンパク質(HP68)がこのタンパク質であること、これが無細胞系やHIV-1感染ヒトT細胞においてHIV-1 Gagに翻訳後に結合することを明らかにする。哺乳類細胞のHP68の優性ネガティブ変異体と無細胞系での欠失−再構成実験を利用し、HP68が未成熟HIV-1キャプシドの集合において、翻訳後の処理過程に不可欠なことを明らかにした。また、細胞内でHP68‐Gag複合体は、ウイルス粒子の形態形成と感染性に関係するHIV-1 Vifに結合する。これらの知見は、HP68がHIV-1の集合過程で翻訳後に起こる現象に重要な役割を果たしていることを示しており、これまで見過ごされていた宿主−ウイルス相互作用の一面が明らかになった。

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