Article 生理:早期老化を伴う表現型を示すp53変異マウス 2002年1月3日 Nature 415, 6867 doi: 10.1038/415045a 腫瘍抑制因子p53は、さまざまなストレス要因により活性化され、アポトーシスや細胞周期の停止、もしくは老化現象を引き起こす。我々は、p53の機能変化が生体にどのように影響するかを調べるため、p53遺伝子の1〜6番のエキソンが変異で欠失したマウスを作製した。このマウスは、カルボキシ末端をもつp53断片をコードできる短縮型活性RNAを発現する。この変異により現れる表現型は、不活性化したp53ではなく、むしろ活性化したp53と一致する。変異(p53+/m)マウスは、同腹の野生型(p53+/+)に比べ、自然に生ずる腫瘍に対して強い抵抗性を見せる。p53+/mマウスが年をとると、老化に伴う表現型が早く現れる。これらの表現型とは、短命化、骨粗鬆症、全身の臓器萎縮、ストレス耐性の低下などである。温度感受性のp53変異対立遺伝子をもつ別系統のトランスジェニックマウスも、早期老化の表現型を示す。これらのデータは、p53が生体の老化を制御するのに関与していることを示唆するものだ。 Full Text PDF 目次へ戻る