最新Review

Nature Reviews Physics に掲載された Review Article また Perspective について、その概要を日本語で紹介しています。

2019年5月

Review Article: 黒リンとその等電子物質

Black phosphorus and its isoelectronic materials

doi: 10.1038/s42254-019-0043-5

層状の黒リンとその等電子物質であるIV族モノカルコゲニドには、独特な結晶対称性に起因する特徴的な物理特性がある。本Reviewでは、この物質群に関する興味深い物理現象、考えられるデバイス応用、今後の研究の方向性について論じている。

Review Article: 脳のネットワーク構造、機能、制御の物理

The physics of brain network structure, function and control

doi: 10.1038/s42254-019-0040-8

脳は典型的な複雑系であり、信じがたいほどの認知力を持ち、さまざまな行動を支えている。脳の複雑さから多くの説得力のある組織化原理を引き出すのに、物理学ができることは多い。

Technical Review: 液体とガラスに隠れた主要な構造的特徴を明らかにする

Revealing key structural features hidden in liquids and glasses

doi: 10.1038/s42254-019-0053-3

非晶質物質の局所的構造に関する知見は、その物理特性を理解するのに根本的に重要である。本 Reviewでは、局所構造解析法の最近の進展について述べ、液体やガラスにおける謎めいた現象に新たな光を当てている。

Perspective: 人工次元におけるトポロジカル量子物質

Topological quantum matter in synthetic dimensions

doi: 10.1038/s42254-019-0045-3

人工次元は、他の自由度を通して新たな空間次元を人工的に追加する方法をもたらす。本Perspectiveでは、人工次元がどのようにして原子系、分子系、光学系におけるトポロジカル格子模型の量子シミュレーションの有望な手段となったのか概説する。

2019年4月

Review Article: 生体高分子ネットワークの機械的弾性から能動的材料特性まで

From mechanical resilience to active material properties in biopolymer networks

doi: 10.1038/s42254-019-0036-4

生体高分子ネットワークによって、機械的完全性が得られ、細胞や組織の能動的変形が可能になる。本論文では、還元主義的アプローチに重点を置いて、生体高分子ネットワークの機械的挙動に関する最近の実験研究と理論研究を概説している。

Review Article: キタエフ量子スピン液体のコンセプトと実現

Concept and realization of Kitaev quantum spin liquids

doi: 10.1038/s42254-019-0038-2

キタエフ量子スピン液体は、長距離エンタングルメントや創発的なマヨラナフェルミオンを示すエキゾチックな物質相である。本Reviewでは、遷移金属化合物におけるキタエフ模型物理の実現のコンセプトと最近の進展についてまとめている。

Review Article: 音響・機械系におけるトポロジカル位相

Topological phases in acoustic and mechanical systems

doi: 10.1038/s42254-019-0030-x

本Reviewでは、音響・機械系において実現される可能性があるトポロジカル現象を説明している。対称性を破る方法に加え、その影響と出現する豊富な現象が述べられている。

2019年3月

Review Article: 非線形場と物質の多次元自己捕獲のフロンティア

Frontiers in multidimensional self-trapping of nonlinear fields and matter

doi: 10.1038/s42254-019-0025-7

多次元自己捕獲状態は、物理系の多くのモデルに存在する。しかし、そうした状態は、普遍的な三次非線形性を示す媒質中では非常に不安定である。我々は、非カー非線形性、スピン軌道結合、量子ゆらぎなどを含む、多次元自己捕獲状態を安定化させ得るさまざまな機構について概説する。

Review Article: 3Dメタマテリアル

3D metamaterials

doi: 10.1038/s42254-018-0018-y

メタマテリアルは、オーダーメードの構成要素からなる合理的に設計された複合物であり、その構成要素を超える効果的な媒質特性をもたらす。本Reviewでは、電磁気学、光学、音響学、力学、輸送の各分野においてかつてない物理的特性を示す3Dメタマテリアルが概説されている。

Review Article: 単分子電子デバイスの設計とエンジニアリングにおけるコンセプト

Concepts in the design and engineering of single-molecule electronic devices

doi: 10.1038/s42254-019-0022-x

本Reviewでは、高信頼性分子接合の作製やその固有特性の調整のために開発された指針が、電極、界面工学、分子工学の各観点から検討されている。分子設計を通して分子接合において実証されたさまざまな機能が、この分野の未解決課題とともに論じられている。

2019年2月

Review Article: グラフェンと六方晶窒化ホウ素を組み合わせたファンデルワールスヘテロ構造体

van der Waals heterostructures combining graphene and hexagonal boron nitride

doi: 10.1038/s42254-018-0016-0

本Reviewでは、グラフェンと六方晶窒化ホウ素からなるファンデルワールスヘテロ構造体において発現する新しい物理現象(整数および分数量子ホール効果、新規プラズモン状態、創発的モアレ超格子効果など)が概説されている。

Review Article: 磁性トポロジカル絶縁体

Magnetic topological insulators

doi: 10.1038/s42254-018-0011-5

磁性トポロジカル絶縁体によって、磁性とトポロジカル電子状態の相互作用の研究が可能になる。本Reviewでは、磁性トポロジカル絶縁体の基本概念とエキゾチックなトポロジカル現象の実験的実現における進展がまとめられている。

Review Article: 高次高調波分光法を用いる分子のアト秒撮像

Attosecond imaging of molecules using high harmonic spectroscopy

doi: 10.1038/s42254-018-0015-1

高次高調波分光法は、気相分子における価電子軌道の波動関数の詳細を明らかにするフェムト秒レーザー技術である。この方法によって、分子軌道の撮像と、フェムト秒分解能での単分子化学反応の追跡が可能になる。

Technical Review: コヒーレンスを制御できる複雑なレーザー

Complex lasers with controllable coherence

doi: 10.1038/s42254-018-0010-6

空間コヒーレンスの高いレーザー照射は、スペックル雑音などの不都合なアーチファクトが生じる可能性があるため、必ずしも好ましいとは限らない。本Technical Reviewでは、従来とは異なり、本質的に空間コヒーレンスが低いレーザーや空間コヒーレンスを調節できるレーザーについて説明している。

2019年2月

Review Article: グラフェンと六方晶窒化ホウ素を組み合わせたファンデルワールスヘテロ構造体

van der Waals heterostructures combining graphene and hexagonal boron nitride

doi: 10.1038/s42254-018-0016-0

本Reviewでは、グラフェンと六方晶窒化ホウ素からなるファンデルワールスヘテロ構造体において発現する新しい物理現象(整数および分数量子ホール効果、新規プラズモン状態、創発的モアレ超格子効果など)が概説されている。

Review Article: 磁性トポロジカル絶縁体

Magnetic topological insulators

doi: 10.1038/s42254-018-0011-5

磁性トポロジカル絶縁体によって、磁性とトポロジカル電子状態の相互作用の研究が可能になる。本Reviewでは、磁性トポロジカル絶縁体の基本概念とエキゾチックなトポロジカル現象の実験的実現における進展がまとめられている。

Review Article: 高次高調波分光法を用いる分子のアト秒撮像

Attosecond imaging of molecules using high harmonic spectroscopy

doi: 10.1038/s42254-018-0015-1

高次高調波分光法は、気相分子における価電子軌道の波動関数の詳細を明らかにするフェムト秒レーザー技術である。この方法によって、分子軌道の撮像と、フェムト秒分解能での単分子化学反応の追跡が可能になる。

Technical Review: コヒーレンスを制御できる複雑なレーザー

Complex lasers with controllable coherence

doi: 10.1038/s42254-018-0010-6

空間コヒーレンスの高いレーザー照射は、スペックル雑音などの不都合なアーチファクトが生じる可能性があるため、必ずしも好ましいとは限らない。本Technical Reviewでは、従来とは異なり、本質的に空間コヒーレンスが低いレーザーや空間コヒーレンスを調節できるレーザーについて説明している。

2019年1月

Review Article: 光と物質の超強結合

Ultrastrong coupling between light and matter

doi: 10.1038/s42254-018-0006-2

系の裸の遷移周波数に匹敵する強さの光–物質結合は、超強結合と呼ばれている。本Reviewでは、この10年間における実験による超強結合の実現方法、この領域において予測される新しい現象、可能になる応用について概説している。

Technical Review: 現実世界のネットワークの統計物理学

The statistical physics of real-world networks

doi: 10.1038/s42254-018-0002-6

本Reviewでは、複雑ネットワークの統計物理学の進歩について説明するとともに、理論的なネットワークモデリングの最先端と、現実世界のパターン検出システムやネットワーク再構成システムへの応用について述べている。

Technical Review: 理論から実験までのエンタングルメントの証明

Entanglement certification from theory to experiment

doi: 10.1038/s42254-018-0003-5

エンタングルメントは、古典物理学と量子物理学を区別する決定的な特徴と考えられることが多く、多くの量子技術の基礎となっている。本Reviewでは、物理系がエンタングルメントを特徴とすることを決定的に証明するという難題に関する最近の進展について論じるとともに、検出方法と証明方法を概説している。

Perspective: 物理学者の人口動態

Taking census of physics

doi: 10.1038/s42254-018-0005-3

物理学者の数とキャリアパスを分析することによって、物理学の各領域の状況の変化が明らかになり、さまざまな領域間のつながりや大規模共同研究の影響が浮き彫りになっている。

2018年11月

Review Article: 原子間力顕微鏡に基づくメカノバイオロジー

Atomic force microscopy-based mechanobiology

doi: 10.1038/s42254-018-0001-7

メカノバイオロジーは、生物系が機械的刺激にどのように応答するか記述する。今回のReview では、原子間力顕微鏡に基づく方法と、それと相補的な手法を組み合わせて適用して、複雑な生物系の形態、機械的性質、機械的刺激に対する機能的応答を評価する際の基本原理、利点、限界を概観している。

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