Research press release

インフルエンザウイルスのヘマグルチニンを阻害する

Nature Structural & Molecular Biology

Blocking influenza hemagglutinin

自然抗体は、宿主細胞膜上のシアル酸受容体と特定のインフルエンザウイルスタンパク質の間の相互作用を標的として阻害でき、それによってウイルス感染が防止されることが報告された。この知見は、抗体の作用を模倣できる治療薬を作出する方法につながりそうだ。

I Wilson、J Croweたちの研究グループは、H2N2型インフルエンザウイルス由来のタンパク質、ヘマグルチニン(HA)に結合している3種類の中和抗体のX線結晶構造を明らかにした。これらの中和抗体はいずれもHAの受容体結合部位にある空洞を塞いでいる。中和抗体の結合機序はすべて同じで、抗体はインフルエンザウイルスの全ての型で保存されている残基と接触していた。

シアル酸類似体は以前、インフルエンザウイルスの感染阻害剤候補として研究されたことがあるが、成果は上がらなかった。今回の結果は、以前に得られている結晶構造とともに、小型タンパク質あるいは小分子化合物を使った新しい感染阻害剤の開発に結びつきそうな空洞の存在を明らかにしている。

The interaction between sialic acid receptors on host cell membranes and a specific viral protein can be targeted by natural antibodies to block influenza virus infections. The findings, published online this week in Nature Structural & Molecular Biology, hold potential for how therapeutic drugs can mimic the same interaction.

Ian Wilson, James Crowe and colleagues have obtained X-ray snapshots of three different neutralizing antibodies, each bound to the viral protein hemagglutinin (HA) from the strain H2N2. All three antibodies plug a cavity within the receptor binding site of HA, using the same mechanism and contacting a residue that is conserved across all influenza strains.

Sialic acid analogs have been investigated in the past as potential flu inhibitors, but with little success. Together with previous structures, the work here reveals a pocket for the development of new inhibitors, using either small proteins or small-molecule compounds.

doi: 10.1038/nsmb.2500

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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