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意識的知覚のタイミング

Nature Medicine 8, 10 doi: 10.1038/nn1549

2つの違う画像や言葉を0.5秒以下の長さでそれぞれ呈示されたとき、2つ目の画像あるいは言葉を意識に捕らえるのは非常に難しい。Nature Neuroscience誌10月号の新しい研究によると、1つ目の画像が意識にのぼるのが早ければ早いほど、2つ目も意識できるようだ。
 Claire Sergentらは、被験者に2つの標的をすばやく見せて、2つ目を見たかどうか指摘させたときの脳の電気的活動を記録した。被験者が標的を見たと報告したかどうかによらず、標的がそれぞれ示された直後に波が現れることがわかった。それに対し、標的を意識できたときにのみ、標的を示した約300ミリ秒後にもそれぞれ波が発生した。この波は意識に関係すると考えられている多くの脳内領域のネットワークに広がっていった。1つ目の標的に関係した遅い波が現れるのが早いほど、2つ目の標的が意識的に認知されるようだった。この発見は、意識的あるいは無意識的知覚の差を生む脳内処理の順序や時期に関してさらなる情報を与えるものだ。

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