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計算病理学:計算病理学のための視覚言語基盤モデル

Nature Medicine 30, 3 doi: 10.1038/s41591-024-02856-4

デジタル病理学の導入の加速と深層学習の進歩により、多様な疾患や患者コホートに対するさまざまな病理学的タスクについてのロバストなモデル開発が可能になった。しかし、医療分野でのラベル付けが不足しているために、モデルの訓練はしばしば困難であり、モデルの使用は、モデルが訓練された特定のタスクや疾患に制限されてしまっている。さらに、病理組織学のほとんどのモデルでは画像データしか用いておらず、人間同士が組織病理学的所見について教え合ったり、論じたりするのとは全く対照的である。本論文では、さまざまな情報資源の組織病理画像、生物医学テキスト、そして特に、117万以上の画像とキャプションのペアを用いて、タスクに依存しない事前学習によって開発した視覚言語基盤モデルであるCONCH(CONtrastive learning from Captions for Histopathology)を紹介する。CONCHは、14の多様なベンチマークによる評価で、組織病理学の画像やテキスト、またはその両方に関する広範な下流タスクに転移でき、組織画像の分類、領域分割、キャプション付け、テキストによる画像の検索、画像によるテキストの検索について、最先端レベルの性能を達成した。CONCHは、同時に調べた組織病理学のための事前学習させた視覚言語システムよりも飛躍的に性能が向上しており、教師ありの微調整を最小限、あるいは全く必要とせずに、機械学習に基づく広範なワークフローを直接促す可能性を秘めている。

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