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肝細胞がん:切除不能肝細胞がんでのレゴラフェニブとニボルマブの併用 ─ 第2相RENOBATE試験

Nature Medicine 30, 3 doi: 10.1038/s41591-024-02824-y

レゴラフェニブは、切除不能肝細胞がん(uHCC)患者において抗腫瘍活性を示し、免疫調節効果を有する可能性があることから、免疫チェックポイント阻害剤と併用すれば、uHCC患者において臨床的に有益であると考えられる。多施設単群第2相RENOBATE試験では、uHCCを対象とした一次治療としてレゴラフェニブとニボルマブの併用を評価した。42人の患者が、4週に1回ニボルマブ480 mgと、1日1回レゴラフェニブ80 mg(3週間投与して1週間休薬のスケジュール)の併用投与を受けた。主要評価項目はRECIST(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)1.1版に基づき、治験責任医師が評価した客観的奏効率(ORR)であった。副次評価項目は安全性、無増悪生存期間(PFS)、および全生存期間(OS)であった。RECIST 1.1版に基づくORRは31.0%であり、主要評価項目を満たした。最もよく見られた有害事象は、手掌・足底発赤知覚不全症候群(38.1%)、脱毛症(26.2%)、皮膚発疹(23.8%)であった。PFSの中央値は7.38カ月、1年全生存率は80.5%で、OSの中央値は未到達であった。末梢血単核球についての一細胞RNA塩基配列解読による探索的解析によって、長期間応答した患者では、T細胞受容体レパートリーの多様化、MKI67+増殖性CD8+T細胞における免疫療法応答性を示す遺伝子の発現上昇、単球からM1への分極化傾向の高まりが見られた。我々の結果によって、uHCCの一次治療としてレゴラフェニブとニボルマブの併用療法の臨床開発をさらに進めることが支持され、また奏効の免疫バイオマーカーについての予備的知見が得られた。ClinicalTrials.gov登録番号:NCT04310709。

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