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悪性黒色腫:免疫チェックポイント阻害剤治療を受けた進行悪性黒色腫における腸マイクロバイオームの縦断的変化

Nature Medicine 30, 3 doi: 10.1038/s41591-024-02803-3

免疫チェックポイント阻害(ICB)の治療転帰を最適化するために、腸のマイクロバイオームを標的とする複数の臨床試験が実施されている。これらの介入を成功に導くためには、ICB中の腸マイクロバイオームの変化を理解することが緊急に必要である。本論文では、進行した悪性黒色腫に対するICB治療を受けた175人の患者についての縦断的なマイクロバイオームプロファイリングによって、無増悪生存期間(PFS)が12カ月以上(PFS ≥ 12)を達成している患者と、PFSが12カ月未満(PFS < 12)の患者では、いくつかの微生物の種レベルの分別ゲノム(SGB)や経路が、ベースライン時から異なるパターンを示すことを明らかにする。これら2つのグループを識別できた99のSGBのうち、20はベースライン時にのみ存在量に差があり、42は治療開始後にのみ存在量に差があった。PFSが12カ月以上の患者で一貫して存在量の多いSGBが5つと、12カ月未満の患者で一貫して存在量の多いSGBが4つ特定された。これらのSGBの対数比を構築すると、全生存期間との関連が見られた。さらに、ICBレジメンのタイプ、免疫関連有害事象の発生、薬物の併用など、異なる臨床状況においてさまざまな微生物動態が見つかった。宿主の要因や治療レジメンと関連した腸マイクロバイオームの縦断的動態に関する知見は、ICBの有効性を高めることを目的とした合理的なマイクロバイオーム標的療法の指針として非常に重要である。

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