Article

COVID-19:COVID-19ワクチン接種疲れの決定要因

Nature Medicine 29, 5 doi: 10.1038/s41591-023-02282-y

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種疲れが、一般集団の免疫を維持する上で、今後の大きな障害になるという懸念が高まっている。本研究では、2つの共同実験で今後のシナリオにおけるワクチン受容度を評価し、新たなワクチン、コミュニケーション、費用・インセンティブ、法的規則などの決定要因を調べた。これらの実験は、ヨーロッパの2カ国(オーストリアとイタリア)で実施されたオンライン調査(参加者n = 6357)に組み込まれた。本研究の結果は、ワクチンキャンペーンは、ワクチン接種状況に基づいたサブグループに合わせて調整すべきであることを示唆している。ワクチン未接種者では、共同体意識を伝えるキャンペーンメッセージに陽性の効果があり(0.343、信頼区間〔CI〕0.019~0.666)、一方、1回あるいは2回ワクチン接種者の意思決定では、報奨金(0.722、CI 0.429~1.014)やクーポン券(0.670、CI 0.373~0.967)といった正のインセンティブの提供が極めて重要であった。3回接種者では、ウイルス変異体対応ワクチンが提供された際にワクチン接種の受け入れが高まるが(0.279、CI 0.182~0.377)、費用(−0.795、CI −0.935~−0.654)や医学的ディスセンサス(−0.161、CI −0.293~−0.030)は、ワクチン接種の可能性を低下させた。ワクチン3回接種者を動員できなければ、ブースターワクチンの接種率が期待を下回る可能性があると結論付けられる。長期的な成功のためには、制度に対する信頼を高める手段を考慮すべきである。これらの結果は、今後のCOVID-19ワクチン接種キャンペーン責任者に対する指針を提供している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度