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COVID-19:SARS-CoV-2感染既往を含まない集団でのオミクロンBA.2バリアントに対するCOVID-19ワクチンの現実社会での有効性

Nature Medicine 29, 2 doi: 10.1038/s41591-023-02219-5

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のオミクロン変異株は伝播性が増強されていて、ワクチンによる免疫を回避することが明らかになっている。第1世代のワクチンは重症疾患や死亡に対してはまだ有効だが、症状にかかわらず、全てのオミクロン感染に対して見られるワクチン有効性(VE)のロバストな証拠は数少ないままである。我々は、5310人の被験者についてのコミュニティー規模での血清抗体調査を用いて、2022年1月から7月にかけて、それまで感染がなかった香港で起こったオミクロンBA.2バリアントの大きな流行の際に、ワクチン接種の履歴が感染リスクに対してどのように影響したかを推定した。オミクロン株は、香港の人口の45%(41〜48%)に感染したと見積もられた。BNT162b2もしくはCoronaVacの3回接種と4回接種は、ワクチン接種後7日目にはオミクロン感染に対して有効であり(VEは48%〔95%信用区間:34–64%〕)、BNT162b2の3回接種と4回接種後のVEは各々48%(95%信用区間:34–64%)と69%(95%信用区間:46–98%)、またCoronaVacの3回接種と4回接種後のVEは各々30%(95%信用区間:1–66%)と56%(95%信用区間:6–97%)であった。接種後100日目には、BNT162b2の3回接種と4回接種後のVEは、各々26%(95%信用区間:7–41%)と35%(95%信用区間:10–71%)へ、またCoronaVacの3回接種と4回接種後のVEは各々6%(95%信用区間:0–29%)と11%(95%信用区間:0–54%)へと減弱した。第1世代ワクチンによってもたらされた感染に対するVEの急速な減弱とウイルス進化の全体像のさらなる複雑化は、最新のワクチンを迅速に配備することとその後のVEの慎重な監視の必要性を明確に示している。

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