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COVID-19:23カ国での2022年中のCOVID-19ワクチン受容度調査

Nature Medicine 29, 2 doi: 10.1038/s41591-022-02185-4

2022年、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)は、安全かつ有効なワクチンや医薬品が導入されたにもかかわらず、変異と拡散を持続した。ワクチンに対して躊躇を示す人数はかなり多いままであり、その一因は誤った情報による煽動である。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンに対する躊躇についての我々の3回目の調査は、2022年6月29日から7月10日の間に23カ国(ブラジル、カナダ、中国、エクアドル、フランス、ドイツ、ガーナ、インド、イタリア、ケニア、メキシコ、ナイジェリア、ペルー、ポーランド、ロシア、シンガポール、南アフリカ、韓国、スペイン、スウェーデン、トルコ、英国および米国)の2万3000人の回答者に対して行われ、ワクチン接種を積極的に受容する割合は79.1%で、2021年6月から5.2%増加したことが明らかとなった。しかし、ワクチンに対する躊躇は8カ国で増加し、1.0%(英国)から21.1%(南アフリカ)に及んだ。ワクチン接種を受けた回答者では8人のうちのほぼ1人(12.1%)がブースター接種に対して躊躇している。18才未満の子どもへのワクチン接種の支持は全体で少し増加したが、個人的にワクチンに対して躊躇している親では減少した。回答者5人のうちのほぼ2人(38.6%)は、COVID-19に関する新しい情報に対して以前よりも注意を払っていないと報告し、またワクチン義務化への支持は低下した。病気になった人のおよそ4分の1(24%)は、COVID-19による症状に対処するために薬を服用したと報告している。ワクチン接種はCOVID-19のパンデミックへの対応の基本ではあり続けているが、一般人からの広い支持があるとは言い難い。これらのデータは、医療体制の意思決定者や一般開業医、ワクチン擁護者や研究者が、COVID-19ワクチンに対する躊躇の問題をより効率よく解決するために使える可能性がある。

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