Brief Communication

COVID-19:SARS-CoV-2オミクロンバリアントBA.2.75.2、BQ.1.1およびXBB.1に対する親mRNAワクチンまたはBA.5二価ブースターによる中和の程度は低い

Nature Medicine 29, 2 doi: 10.1038/s41591-022-02162-x

新たに出現した重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)オミクロン亜系統には、BA.2由来のBA.2.75.2、BA.5由来のBQ.1.1とXBB.1が含まれており、ワクチンの有効性に影響を与える可能性のあるスパイクタンパク質の変異の数がさらに増加・集積している。本論文では、3種類の血清群、すなわち親mRNAワクチンの4回目接種後23〜94日に採取された血清群、親mRNAワクチンの2〜4回接種後にBA.5二価ブースター接種を受け、その14〜32日後に採取された血清群、以前のSARS-CoV-2感染後、親mRNAワクチンの2〜4回の接種を受け、さらにBA.5二価ブースター接種を受けてから14〜32日後に採取された血清群について、その中和活性を調べた。その結果、BA.5二価ブースター接種がBA.4/5に対する高い中和力価を接種14〜32日後に誘発したことが示された。しかし、BA.5二価ブースター接種では、新たに出現したBA.2.75.2、BQ.1.1、もしくはXBB.1に対してはロバストな中和が起こらなかった。従前の感染は、BA.5二価ブースターによって誘導された中和の強度と範囲を大きく増強した。我々のデータは、将来のブースターは新たに出現し流行するSARS-CoV-2バリアントに合わせたものにすべきだというワクチン改良戦略を支持するものだ。

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