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大腸がん:大腸がんの予後と治療応答を予測するための多重染色深層学習

Nature Medicine 29, 2 doi: 10.1038/s41591-022-02134-1

大腸がんでは、免疫細胞の組成が予後や予測に高い値を持つことが以前から知られているが、イムノスコア(IS)のような採点システムや上皮細胞間リンパ球の定量化などの評価システムは、臨床のルーティンへの採用がなかなか進まず、システム自体にも限界がある。我々はこうした問題に取り組むために、人工知能(AI)を用いて多重染色深層学習モデル(MSDLM)を確立して評価を行い、1000人以上の大腸がん患者でAImmunoscore(AIS)を決定した。我々のモデルは高い予後予測能力を持ち、他の臨床的、分子的パラメーターや、免疫細胞ベースのパラメーターよりも優れていた。また、このモデルは、直腸がん患者でのネオアジュバント療法に対する応答の予測にも使用できる。説明可能なAIの手法を用いて、MSDLMの決定が抗腫瘍免疫の確立された細胞パターンに基づいていることを我々は確認した。従って、AISは臨床医に腫瘍免疫微小環境に基づく有益な意思決定手段をもたらすだろう。

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