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リウマチ性疾患:リウマチ学における精密医療の前途

Nature Medicine 28, 7 doi: 10.1038/s41591-022-01880-6

全身性自己免疫性リウマチ性疾患(SARD)は臨床症状、疾患経過、治療応答に広範囲にわたる不均一性を示す。そのため、個々の患者の特定の時点において、その基盤となっている病因機構によって治療を調整する精密医療は、SARDの臨床治療における究極の目標である。現在使われている戦略には、目標達成に向けたT2T治療や患者層別化のための自己抗体検査があるが、これらは最適な治療からは程遠い。最近のハイスループット「オミックス」技術の革新により、現在は複数のレベルでの包括的なプロファイリングが可能になっており、これは、毒性となりかねない薬剤を徐々に減らせる可能性があるし、現行の分子標的化治療によりよく応答するような患者サブグループを見つけ出すのに役立っている。このような進歩は転帰を最適化して治療のための新しい道筋を明らかにするのに有用かもしれないが、臨床での適用への道には多くの難問がある。本総説では、多くのSARD間での細胞レベルや分子レベルでの不均一性を分析した最近の取り組みや、臨床でのSARD治療のための層別化手法の導入に関する将来の方向について論じる。

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