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脊髄性筋萎縮症:SMN2を2コピー持ち1型脊髄性筋萎縮症のリスクがある発症前乳児に対するオナセムノゲンアベパルボベクの効果 ─ 第III相SPR1NT試験

Nature Medicine 28, 7 doi: 10.1038/s41591-022-01866-4

SPR1NT試験(NCT03505099)は、SMN1の両対立遺伝子に変異があり、生後6週以内にオナセムノゲンアベパルボベクの投与を受けた発症前小児で、この薬剤の有効性と安全性を調べる第III相多施設単群試験であった。本論文では、SMN2を2コピー持つために1型脊髄性筋萎縮症(SMA)を発症すると予想された14人の乳児についての最終結果を報告する。この薬剤の有効性は、Pediatric Neuromuscular Clinical Researchの対応する自然歴コホート(n = 23)と比較された。18か月齢までには、登録された14人の乳児全てが、受診時にはいつも30秒以上にわたって支持なしの座位姿勢をとることができた(ベイリー乳幼児発達検査第3版#26、P < 0.001、11人が正常な発達範囲内にあった)。14か月の時点で、全員がプロトコル通りに長期人工呼吸器を使うことなく生存しており、また13人は18か月間を通して体重を維持していた(≥ 3rd WHO percentile)。栄養や呼吸の補助を使用した乳児はいなかった。治療に関連すると治験責任医師が考える重篤な有害事象はなかった。オナセムノゲンアベパルボベクは、1型SMAの発症が予想される小児に対して有効で耐容性が良好であり、新生児のユニバーサルスクリーニングが緊急な問題であることを明確に示している。

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