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COVID-19:モノクローナル抗体を投与された患者でのSARS-CoV-2オミクロン株亜系統BA.1とBA.2の血清中和活性

Nature Medicine 28, 6 doi: 10.1038/s41591-022-01792-5

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)オミクロン株のBA.1亜系統は、多くの国でBA.2亜系統に置き換わっている。BA.2は、そのスパイクにおよそ21の変異があるところがBA.1と異なっている。我々はまず、9種類の治療用モノクローナル抗体(mAb)による中和に対するBA.1とBA.2の感受性を比較した。BA.1とは対照的に、BA.2はシルガビマブ感受性であり、イムデビマブによって部分的に阻害され、またアディントレビマブやソトロビマブに抵抗性であった。次に、ロナプリーブ(カシリビマブとイムデビマブを含む)とエブシェルド(カシリビマブとチクサゲビマブを含む)の片方あるいは両方からなる抗体カクテルを投与された29人の免疫不全者のカクテル投与後最長1か月までの血清の解析を行った。mAb被投与者は全員、血清中抗体レベルの上昇が見られ、これによってデルタ変異株は効率よく中和された。ロナプリーブ被投与者の血清はBA.1を中和せず、BA.2を軽度に阻害した。エブシェルド被投与者29人のうち、BA.1の中和は19人で、BA.2の中和は29人で見られた。デルタ変異株と比較すると、BA.1に対する中和力価(344倍)がBA.2に対する場合(9倍)より大きく低下していた。さらに、この29人中で4人がオミクロン株にブレークスルー感染したことが分かった。これは、抗体投与が十分に感染を防御しなかったことを示している。このように、BA.1とBA.2は治療用mAbに対する感受性に顕著な違いが見られる。ロナプリーブの抗オミクロン中和活性は患者血清中で低下しており、それよりも低いとはいえ、エブシェルドの中和活性にも低下が見られる。

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