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感染症:未解明の急性感染後症候群

Nature Medicine 28, 5 doi: 10.1038/s41591-022-01810-6

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)は急性期後に続発症を引き起こすことがあるが、これはSARS-CoV-2に独自の性質ではない。ずっと以前から、急性感染症の一部は、患者の少数で見られる未解明の慢性障害と関連付けられてきた。このような急性期感染後症候群(post-acute infection syndromes:PAIS)は医療へのかなりの負担となっているが、その基盤となる機構は解明されておらず、医学分野での重大な盲点になっている。個々のPAISの症状プロファイルは、感染性因子とは関係なく比較的よく似ており、その臨床的特徴は筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)と重複していることから、共通の疾病原因の関与が考えられている。本総説では、未解明のPAISについて得られている知見をまとめ、SARS-CoV-2感染急性期後の続発症(post-acute sequelae of SARS-CoV-2 infection:PASC)の状況や背景について概要を述べてから、謎の多いこの慢性疾患群の背後で働いている機構について基礎生物医学的研究が必要であることについて論じる。

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