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COVID-19:ブラジルで使用されたCoronaVacとBNT162b2という異種ワクチン組み合わせ方式の有効性

Nature Medicine 28, 4 doi: 10.1038/s41591-022-01701-w

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの効果の減弱やブースター接種のワクチン有効性(VE)は高い関心を集めている。ブラジルのリンクドデータベースであるnational Brazilian database群を用いて、我々は、RT-PCRで確定した重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)感染および重症COVID-19の転帰(入院あるいは死亡)に対するCoronaVacのVEの時間的経過とBNT162b2ブースターワクチン接種のVEを推定するために、およそ1400万人(約1600万件の検査)を含む検査陰性を対照とする症例対照研究を行った。ワクチン非接種者に比べ、CoronaVac 2回目接種後14〜30日目でのVEは、確定した感染に対して55.0%[95%信頼区間(CI)54.3~55.7]、重症転帰に対して82.1%(95% CI 81.4~82.8)であった。VEは、2回目接種後180日を超えると、感染に対して34.7%(95% CI 33.1~36.2)、重症転帰に対して72.5%(95% CI 70.9~74.0)に低下した。CoronaVac 2回目接種の6か月後に接種されたBNT162b2ブースターは、ブースター後14~30日で、感染に対するVEを92.7%(95% CI 91.0~94.0)、重症転帰に対するVEを97.3%(95% CI 96.1~98.1)まで改善させた。若年齢者集団と比較すると、80歳もしくはそれ以上の年齢の被接種者は2回目接種後の防御力が低かったが、ブースター後は同程度の防御力が見られた。我々の得た知見は、CoronaVac 2回接種後のBNT162b2ブースターワクチン接種を、特に高齢者の場合に支持するものである。

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