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COVID-19:英国でのCOVID-19に関連した症状、入院、死亡に対するCOVID-19ブースターワクチンの効果

Nature Medicine 28, 4 doi: 10.1038/s41591-022-01699-1

メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンを使うブースター接種は英国で成人に対して提供され、2021年9月14日から開始された。我々は検査陰性者を対照群とする症例対照研究によって、デルタ変異株が主流となった2021年9月13日~2021年12月5日で、主なコースである2回接種の終了者(2回目投与の少なくとも175日後)およびワクチン未接種者と比較することで、BNT162b2(ファイザー社/ビオンテック社)の1回のブースター接種の相対的な有効性を推定した。評価項目は、症候性新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と入院であった。最初のワクチン接種コースとしてChAdOx1-S(アストラゼネカ社)とBNT162b2を接種した後の、BNT162b2もしくはmRNA-1273(モデルナ社)ブースター接種後14~34日での症候性疾患に対する相対的有効性は、85~95%であった。絶対的なワクチン有効性(VE)は94~97%であり、全ての年齢グループで同様であった。ブースター接種後10週以上で、ある程度の減衰が認められた。入院や死亡に対しては、BNT162b2ブースター接種の絶対的な有効性は、最初のコースとは関係なく、全年齢グループで97~99%であり、10週まで減衰が認められなかった。本研究は、ブースターワクチン接種によって、最初の接種のコースの種類には関係なく、軽症と重症の両方の疾患に対して大幅に防御力が高まることについて、実社会で得られた証拠を示している。

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